【連載05】新しい年を迎える、 やさしいお正月のしつらえ
新しい年を迎える、
やさしいお正月のしつらえ
一年の締めくくりを過ぎ、ゆったりとした空気が流れはじめるお正月。玄関に飾られた門松やしめ飾り、甘く香るお雑煮の湯気に触れると、「ああ、また新しい年が始まるんだな」と静かに心が整っていきます。皆さまにも、そんな“年のはじめの特別な空気”を感じる瞬間があるのではないでしょうか。
お正月はもともと、年神様(としがみさま)という新しい年のご縁や豊作をもたらす神様をお迎えする行事。家の中を整え、しめ飾りや鏡餅を飾るのは、年神様が迷わずやって来られる 『道しるべ』 の役割だと言われています。子どものころ、家族みんなで鏡餅を飾ったり、おせち料理を手伝ったりした記憶がよみがえる方もいらっしゃるかもしれませんね。
お正月と聞いて思い浮かぶ縁起物には、さまざまな願いが込められています。たとえば、ぽってりとした姿が愛らしい「招き猫」。左手を上げている招き猫は『人(ご縁)を招く』、右手を上げている招き猫は『金運を招く』と言われ、古くから商売繁盛や幸せの象徴として親しまれてきました。玄関やリビングの棚にそっと置くだけで、なんだか家の中が明るく、運気まで軽やかに動き出すような気がします。
また、お正月ならではの小さな楽しみのひとつが「ポチ袋」。お年玉を渡すときに使うものですが、最近では柄や素材にこだわったものも増えていて、選ぶ時間もワクワクしますよね。「今年はどんなデザインにしようかな」と迷いながら、お子さんやお孫さんの顔を思い浮かべて選ぶ時間も、年のはじめの大切なひととき。ポチ袋は金運を包み込むと言われており、縁起の良いデザインを使うと、贈る側も受け取る側もちょっと幸せな気持ちになれます。
お正月は、難しい準備をしなくても、小さな工夫で気持ちよく迎えられる行事です。たとえば、お気に入りの招き猫を玄関に飾ってみたり、テーブルに和紙を敷いて小さな花を一輪添えたり。それだけで、お部屋に凛とした空気が生まれます。夕方の少し薄暗い時間に、やわらかな灯りをつけて過ごすと、特別な日の空気がふんわり広がり、心まで落ち着くものです。
一年の始まりに縁起物を取り入れることは、“良い流れが続きますように”という前向きな願いを形にすることでもあります。招き猫やポチ袋のような、手軽に使える小物は、そんな願いを日常にそっと寄り添わせてくれる存在。新しい年を笑顔で迎えたい方へ、優しく寄り添うアイテムとしておすすめです。
どうぞ、皆さまの新しい一年が、幸せと健やかさに満ちた素敵なものになりますように。そして、日々の暮らしにそっと寄り添う縁起物たちが、やわらかな福を運んできてくれますように。
Editor's Pick 01
“今年も良い一年に”を形にするお年玉
お年玉は、年齢や立場に合わせて言葉を添えたり、目標を書けるカードを入れたりと、現代ならではの渡し方も広がっています。小さな贈り物だからこそ、気持ちの伝え方に工夫が光るお正月の習慣です。
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Editor's Pick 02
幸運をそっと手渡す、
ギフトとしての招き猫
自分の願いだけでなく、「あなたにも良い風が吹きますように」という気持ちを添えて贈れるのが招き猫の魅力。玄関やデスクにちょこんと置くだけで和み、運気のおすそ分けを届ける新年の贈り物にぴったりです。