【連載12】春を味わう、日本茶の時間

春を味わう、日本茶の時間
やわらかな春の光に包まれる頃、日本各地の茶畑では一年で最も大切な季節を迎えます。それが「新茶」の摘み取りです。新茶の収穫時期は地域によって異なりますが、早い産地では四月中旬頃から、主産地の静岡では四月下旬から五月上旬にかけて最盛期を迎えるといわれています。
立春から数えて八十八日目にあたる「八十八夜」に摘まれたお茶は縁起がよく、飲むと無病息災で過ごせるという言い伝えもあります。冬のあいだに養分をたっぷり蓄えた新芽から作られる新茶は、甘みがあり、香りがみずみずしく、渋みが穏やかなのが特徴です。春の訪れそのものを味わうような、特別な一杯といえるでしょう。
さて日本茶の歴史は奈良・平安時代にまでさかのぼります。当時は薬として僧侶や貴族の間で珍重されていましたが、鎌倉時代に禅僧・栄西が茶の種を持ち帰ったことで広く知られるようになりました。やがて茶の湯文化が生まれ、千利休によって精神性を重んじる「わび茶」が完成。お茶は単なる飲み物を超え、心を整える文化として日本の暮らしに根づいていきます。江戸時代には庶民にも広まり、日常の中で楽しむ存在となりました。現代ではペットボトルやカフェスタイルなど形を変えながらも、私たちの生活に寄り添い続けています。

日本茶の楽しみ方は、実は「飲む」ことだけにとどまりません。
茶葉を温めて香りを楽しむ茶香炉は、ほのかな香りが部屋に広がり、穏やかな時間を演出してくれます。また、料理に取り入れるのもおすすめです。新茶の季節には、やわらかな茶葉を衣に混ぜた天ぷらや、香ばしいほうじ茶で炊いたご飯など、季節の味わいを食卓に添える楽しみ方もあります。
お茶の香りは料理に軽やかな余韻をもたらし、いつもの食事を少し特別なものにしてくれます。もうすぐ、新茶の季節がやってきます。若葉の香りを含んだ一杯は、春そのものの味わい。
忙しい日々の中でも、 湯気の立つ湯呑を手にするひとときは、心を静かに整えてくれます。今年の春は、少しだけ丁寧にお茶を淹れる時間を暮らしの中に取り入れてみませんか。
Editor's Pick 01
料理を引き立てる、日本茶ペアリング

日本茶は単なる飲み物ではなく、料理の味わいを引き立てる名脇役でもあります。ワインのように料理との相性を楽しむ「ティーペアリング」も最近注目が集まっています。例えば
・煎茶 × 焼き魚、刺身などの魚料理。口の中をさっぱり整え、素材の旨味を引き立てます。
・玉露 × 豆腐料理、白身魚など繊細な味の料理。旨味の強いお茶なので上品な余韻が特別な食事の時間をゆったり演出します。
・ほうじ茶 × 肉料理、チョコレート菓子など。香ばしさがコクのある味や脂っぽさを和らげ、すっきり整えます。
・玄米茶 × 天ぷら、煎餅など。ほうじ茶とはまた違った香ばしさが味の相乗効果を引き出します。
個人のお好みや感じ方は様々ありますので、ぜひご自身の日本茶ペアリングを見つけてみてはいかがでしょうか。
Editor's Pick 02
新しい感覚で楽しむ、ちょっと変わったお茶
燻茶サクラ
12パック入り ¥1,512
近年、日本茶は伝統を大切にしながらも新しい楽しみ方が広がっています。
香りや味わいに個性のあるお茶は、気分転換やリラックスタイムにもぴったりです。たとえば、焙じた茶葉の深い香ばしさとやさしい甘みが特徴のお茶は、コーヒーのようにゆったり味わうことができ、大人のくつろぎ時間を演出してくれます。
また、フルーティーな香りやまろやかな口当たりを楽しめる新感覚のお茶も登場しています。温かくしても冷やしても美味しく、日常のティータイムを少し特別なものにしてくれます。
いつものお茶時間に、少しだけ新しい選択を。お気に入りの一杯が見つかるかもしれません。
Editor's Pick 03
お茶の旨みを、ギュッと閉じ込めたキューブ

辻利兵衛本店 賽の茶
4個入り ¥1,458
6個入り ¥2,160
9個入り ¥3,240
3種の生地に玄米茶クリーム、抹茶クリームを詰めました。クリームと生地との多彩な組み合わせをお楽しみください。素材の個性が光るお菓子です。
Editor's Pick 04
フランス・ボルドー地方の伝統菓子、カヌレを愛らしいフィナンシェに。

<立町カヌレ監修>カヌレ・ド・フィナンシェ
8個入り ¥2,160
12個入り ¥3,240
フィナンシェをカヌレの型で、繊細な温度調整をしながら焼くことで、外側はカリッと、中はしっとりとした独特な食感に。
プレーン、ショコラクランベリー、ショコラキャラメルアーモンドと3つのフレーバーで、凝縮された豊かな味と香りをお楽しみください。
