過去と現在が一緒に存在する街、ソウル
写真:徳寿宮敷地内
2020年のコロナ禍に第4次韓流ブームが始まり、2022年の冬になった今、ソウルはようやく日本からの観光客が戻ってきました。今回のブームの火付け役になった「愛の不時着」や「梨泰院クラス」は、現代的なザ・ソウルの街を見せてくれましたよね。
超一流の歌とダンスで魅了するK-POPの華やかな世界、サムソン、ヒュンダイなどの世界最先端の大企業の数々。韓国、ソウルのイメージというとこちらを想像する人は少なくないと思います。
でも、ソウルという街は歴史的な建物が、実に見事に現代の建物と一緒に存在している場所があるのをご存知でしょうか。
それはソウルの真ん中にある景福宮(キョンボックン)を中心としたエリアです。
写真:景福宮敷地内
写真:景福宮、光化門(カンファムン)
歴史的な雰囲気がたっぷり出ている建物のうしろに、きらきらと輝くビルのひかり。誰かまだ会社に残って仕事をしているのかな?と都会であればよくみる光景です。
また、光化門前の道路はいつも多くの車が行き交い、ソウルでも特に渋滞しやすいエリアの一つです。
一見アンマッチなこの風景を、現地に住むソウルっ子たちは、とても誇りに思っているんです。
それはソウルほど過去と現在が違和感なく一緒に存在しているところは、世界でも類をみないと思っているからです。
そんなソウルの街を歩いていると、過去にタイムスリップしたような気分になったり、現在に戻ったり、本当に不思議な気分を味わうことができます。
地下鉄5号線の光化門駅で下車し、景福宮の方へ歩いて行くと、まずソウルの政治と経済を支えるビル群が出迎えてくれて、その間を通って5分ほど歩くと、すぐに光化門・景福宮にたどり着きます。
駅からたった5分ほどで、何百年も前の朝鮮王朝時代の建築物が目の前に飛び込んでくるのがこのエリアの特徴なんです。しかも光化門へ行く途中には、ハングルを作った世宗大王が登場します。
景福宮は、1395年に朝鮮王朝の最初の王様である、イ・ソンゲによって新たに正宮として使用されていました。王様の政治・生活の場として知られていますが、「背山臨水(ハイザンリンスイ)」という、山を背中にして水を目の前に見るような風水的に良い場所に造られました。実際に景福宮の後ろには北漢山(プカンサン)、前には(実際には距離があって景福宮からは見えないが)漢江(ハンガン)があります。
当時ここで生活していた人たちを、簡単に想像できるのに一役を買っているのが韓服(ハンボク)と呼ばれる韓国伝統衣装を着飾っている観光客たちです。景福宮近くで韓服はいつでもレンタルすることができます。韓服を着ていると、朝鮮時代の宮殿や王様のお墓などの観光地の入場料が、無料になるというありがたいサービスがあるんです!
景福宮の東にある、北村韓屋村(プクチョンハノクマウル)と呼ばれる一帯は、約600年前から両班(ヤンバン)という、当時の位が高い人たちが住んでいた地域であり、今も実際に住民が住んで韓屋(ハノク)という伝統的な家屋を保存しています。道幅が狭く、坂が多い、便利とはいいがたいこの地域の伝統を守り続けている人がいます。
また、家屋を改造して建てられたカフェは、実際に建物の中に入り韓国の伝統家具を目の当たりにし、当時の雰囲気を感じることができて、韓国伝統茶とお菓子を楽しめます。
このエリア全体を歩いて観光しようと思うと2〜3時間かかるので、観光に歩き疲れたら、カフェで休むということを繰り返して、ソウルっ子のようにカフェタンバン(カフェを何軒もはしごする意味の韓国語)をすることもできます。
写真:チャマシヌントゥルhttps://www.instagram.com/cha.teul/
さて、いかがだったでしょうか。
安くて可愛い韓国ファッション、数えきれないほどのコスメたち、きらびやかな超現代的なソウルだけでなく、伝統文化を守り続けている人たちがいるところを、ちょっとのぞいてみるのはいかがですか?
一度足を踏み入れたら、ソウルの魅力にさらにハマることを約束いたします。