【連載06】冬と猫、「かわいい!」の裏側にある生態学
冬と猫、
「かわいい!」の
裏側にある生態学
冬の風物詩といえば、何を思い浮かべるでしょうか。雪景色、温かい鍋、そして「こたつで丸くなる猫」。ストーブの前を陣取り、日向ぼっこにいそしみ、人が近づくと布団にもぐりこんでくる…。そんな愛らしい猫の姿は、冬の寒さを和ませてくれる存在です。
しかし、私たちが「かわいい」と感じるその行動の一つひとつには、彼らが厳しい自然界を生き抜いてきた証ともいえる理由が隠されています。今回は、冬の猫が見せる姿の裏側にある生態学を、少し覗いてみましょう。
Nyan Nyan Question 01
なぜネコは
「アンモニャイト」になるのか?
猫の祖先であるリビアヤマネコは、北アフリカや中東の砂漠地帯出身です。そのため、彼らの体は基本的に「暑さに強く、寒さに弱い」構造になっています。
猫が丸くなるのは、「体表面積をできるだけ小さくし、体温が外気に奪われるのを防ぐ」という、極めて合理的な防衛本能。さらには、丸まったお腹に顔をうずめることで、自分の吐く息(温かい湿気)で鼻とのどを乾燥から守るという副次的な効果もあるようです。
私たちが寒い時に背中を丸め、腕を組むのと同じ、いえ、それ以上に洗練された?体温維持術なのです。
Nyan Nyan Question 02
冬のネコはなぜ
「寝てばかり」いるのか?
「冬の猫は一日中寝ている」。そう感じる飼い主さんは多いかもしれません。確かに、こたつやヒーターの前でとろけている時間は増えます。どうして猫は冬になると寝る時間が長くなるのでしょうか。
答えは「省エネモード」です。
冬は、野生環境では獲物となる小動物や昆虫が減り、狩りの成功率が下がります。そこで猫は、体温を保ち、無駄なエネルギー消費を極力抑えるため、活動量を減らしてじっとする時間を選ぶのです。
これは、体力を温存し、厳しい冬を乗り切るための本能的な戦略。つまり、ただ怠けて寝ているのではなく、「動かない」という選択を能動的に行っているのです。とはいえ、今では暖かい空調のきいた家で過ごす猫も多くなってきて、省エネモードへの変更は不要だにゃ。という猫も増えてきているようです。
そんな冬のネコ。理屈はともかく、その姿や仕草は愛らしいの一言に尽きます。
今回、皆さんにご紹介するのは、そんな丸く柔らかなシルエットの猫をかたどったクッキーです。
見つめているだけで心がゆるむような愛らしさ。思わず「食べるのがもったいない」とつぶやきたくなるほど表情がやさしく、冬の冷たい空気の中で、ふっと気持ちを温めてくれます。外から帰ってきたとき、カップに手を添えながら一枚ゆっくり味わえば、ほっと肩の力が抜けていくのを感じられるでしょう。